第1回 CTコロノグラフィとは
第1回目となる今回は、「CTコロノグラフィとは」と題して、CTコロノグラフィの概要について説明させていただきます。
CTコロノグラフィとは
CTコロノグラフィ(CTC)とは、CTでスキャンされた画像を用いてそれらを三次元構築することにより、大腸の画像をさまざまな角度から診断することを可能とした診断法のことをいいます。注目されるようになった理由として、マルチスライスCT(MDCT)を検査に用いるようになったことが挙げられます。従来のCTに比べてマルチスライスCTは、スキャン速度が速く、短い時間での検査が可能になった上に、撮影スライス厚が薄くなり(1mm以下)小さな病変や微細な表面の凹凸も捉える事が可能になりました。
![]() 内視鏡像 |
![]() 仮想内視鏡モード |
CTコロノグラフィは「簡便で早い」「侵襲が少ない」「術者による技量差が少ない」検査法とされ、更にCAD(Computer-Aided Detection、コンピュータ支援検出)と組み合わせることによって検診の効率を一段と高めることが可能です。
更に、タギング法やインサフレーター(炭酸ガス自動注入器)による自動送気の開発によって、より患者さんの肉体的/精神的に負担の低い検査が期待できます。
CTコロノグラフィは日常的な一般臨床の現場においても応用が検討されています。これは、多くの施設で用いられているMDCTで手軽に低侵襲な検査が行えるためです。
また、内視鏡では死角となるヒダ裏の病変の観察も可能で、CADと組み合わせることで病変候補を提示し、見落しを防止します。更に、CTコロノグラフィは病変の正確な位置同定・再現性に優れるため術前診断や術前計画用等へと様々に応用が期待されています。
CTコロノグラフィが注目される背景
「がんは国民病」と言われるように、国民の死亡原因のトップとなっています。特に部位別死亡者数の統計によると、大腸がん死亡者数は男性で3位、女性は1位と高位にあります。しかしながら、大腸がんの検診受診率は依然と低く、再検査受診率にあっては18%に留まっているため、各方面からの早急な改善が求められています。

大腸がん死亡率:厚生労働省 平成19年度 人口動態統計

大腸がん検診受診率:厚生労働省 がん検診者数及び受診率の年次推移
一般的に大腸がん検査では内視鏡が有効な手段となっていますが、実際には処置できる患者数や、施術できる医師の数を考慮すると国民を対象とした大規模な検診には対応しきれません。このため一次検診としては便潜血検査法が行われています。便潜血法は公費の補助もあり簡便な方法として広く受け入れられていますが、出血を伴わない病変は検出できないため早期大腸がんや平坦な病変は発見が難しいとされています。そこで、大腸がん検診の一次検査の新たな試みとしてCTコロノグラフィが注目を集めています。
このように、多くの可能性を秘めたCTコロノグラフィですが、「より深く」理解して頂けるように「検査の流れ」を幾つかのポイントに分け連載することになりました。この連載を通して多くの方に大腸がん検査に関心を持っていただけたら幸いです。


