JRC2009: CyPos賞 Gold Medal授賞 国立がんセンター三宅基隆先生
「CT Colonographyにおけるコンピューター支援検出の有用性:sm浸潤癌での検討」

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ITEM/JRC2009の最終日4月19日の15時よりパシフィコ横浜会議センター・メインホールにてCyPos賞の授賞式が開催されました。表彰されたのはPlatinum 1名、Gold 6名、Silver 10名、Bronze 20名の方々だったのですが、その中でもCTコロノグラフィにおけるsm浸潤癌のCADの検出能の検討を行われた国立がんセンター中央病院の三宅先生の演題が、名誉ある第68回日本医学放射線学会総会CyPos賞Gold Medalを受賞されました。



授賞式の後、三宅先生に今回のGold Medal受賞に関して、コメントをいただきました。
その内容を以下に掲載させていただきます。


三宅基隆先生 ご略歴



三宅 基隆先生
国立がんセンター中央病院放射線診断部

平成14年3月 神戸大学医学部卒業
平成17年4月~国立がんセンター中央病院放射線診断部

大腸外科グループ、消化器内視鏡グループと共に、日常診療におけるCT colonography(CTC)の
開発・臨床応用に取り組む一方、検診への導入を目指した研究を行っている。
特に早期大腸癌のCADの開発、研究に精力的に取り組んでいる。




Q. 第68回日本医学放射線学会総会CyPos賞Gold Medalを受賞された要因は何だと考えられますか?

 CTCに対する関心の高まりが大きな要因の一つであると思います。CTCの対象疾患である大腸癌は欧米だけでなく日本においても年々増加の一途を辿っており、近い将来罹患率・死亡率ともに1位になる可能性が高く、行政・医療上ともに非常に関心の高い分野です。CTCは、その高い大腸病変検出能が評価され、欧米ではすでに臨床に取り入れられ普及が進んでいます。近年日本においても、workstationやCT装置などの画像診断装置の著しい進歩と相まって、CTCを施行する施設は増加しつつあります。

 早期発見・早期治療を目指すにはより正確で効率の良い病変の拾い上げ診断が重要です。CADを用いることでポリープの検出能が改善しますが、日本のすぐれた消化器内視鏡診断学によって日本主導で研究が進んできた平坦型病変に対するCADの検出能は未知数です。

 平坦型病変はポリープ型病変に比べると数は少ないものの、進行がより早いという研究もあり、早期発見が重要と考えられています。このため、平坦型病変を含めた早期大腸癌に対するCADの検出能は非常に興味深く、この点も評価されたのではないかと考えています。


  


Q. 今回の研究でご使用されたMedicsight社のColonCAD*のご評価はいかがでしょうか?

 隆起成分を含む早期癌の100%、平坦型早期癌の約8割という比較的良好な検出能を示し、非常に興味深い結果でした。隆起成分を含んでいれば、小さいものや、比較的平坦なものも、100%を検出しました。隆起成分が目立たない扁平な早期癌でも約8割を検出しました。大腸癌の大多数は隆起型成分を含むため、CADを併用したCTCは早期がん発見に非常に有効と思われます。

 ColonCADはポリープの検出を目的として開発が進んできたアルゴリズムですが、さらなる改良を加えることにより平坦型病変の検出力をさらに改善させることが期待できると思われます。


  


Q. CTコロノグラフィが日本においても注目されていますが、スクリーニングとして普及するためには何が欠かせないとお考えですか?

 良好なCTCを行うに当たり不可欠となるマルチスライスCTは、日本においての販売比率は最近では90%以上に達しており、CTCのためのインフラは着実に整備されつつあります。診断に関して言えば、日本の消化管診断学は世界をリードする分野であり、既存の消化管診断学をCTCに応用する事で十分対応可能です。

 他に、CTC撮影のためのより簡便な前処置法、読影用の良質なwork station(CAD搭載)、炭酸ガス自動注入器、など諸問題は残っておりますが、順次解決されるべく、道筋は整いつつあります。


  


Q. 4月16日(木)にJRC2009 CTコロノグラフィトレーニングコースが開催され、三宅先生も講師として運営に関わっていらっしゃいましたが、これからCTコロノグラフィを実施しようとしているご施設に向けて一言。

 CTCはより安全性、信頼性の高い検査です。検査担当者の技量によらず検査の質が比較的一定に保たれ、検査時間も短く、被験者、検査担当者ともに簡便に検査を施行することが可能です。ぜひCTCを大腸検査の1つとして導入して下さい。




ご演題サマリー

今回CyPos賞のGold Medalを授賞されました演題「CT Colonographyにおけるコンピューター支援検出の有用性:sm浸潤癌での検討」について、三宅先生のご好意によりその一部を解説していただきました。





CTコロノグラフィ(CTC)は新しい大腸画像診断として世界的に認知されており、日本でも需要が高まりつつあります。CTCの診断精度を保ちつつ効率的な診断環境を整備するためにはCADが必須と考えられています。CADの研究はポリープ検出を対象に欧米を中心に進められておりましたが、近年、欧米においても平坦型、陥凹型病変の重要性が認識され、CADの研究対象となりつつあります。

そこで我々は、現在既に実用化され臨床的に用いられているMedicsight社のCADを使用し、平坦型・陥凹型病変を含めた早期大腸癌の検出能を検討しました。



対象は病理学的に早期大腸癌(粘膜下層浸潤)と確認された92名92病変。大腸内視鏡検査後、2時間以内にCTCを施行しました。

内視鏡所見をGold standardとして、CTC読影に熟練した2名の放射線科専門医の合意に基づき内視鏡所見とCTC所見を比較し、病変を確認致しました。

CADにより病変の1箇所以上がマークされた場合を検出陽性としました。



隆起型42病変、平坦・陥凹型50病変のうち、隆起型病変におけるCADの検出率は100%と、優れた結果を示しました。IIa、IIc等の平坦型・陥凹型病変においても80%弱の検出率と比較的良好な結果を示しました。

この結果から、CADは早期大腸癌の検出に有用であると考えられます。
また、さらなる検出アルゴリズムの改良により、検出能の改善が期待できると考えています。



<伊藤竹織>


  • *ColonCADは薬事未承認品のため販売授与はできません。
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