CTコロノグラフィ体験記 第2弾
日経BP社「がんナビ」に「大腸がん検診で注目度高まる---CTコロノグラフィ体験記 受検者の身体的負担は想像以上になし、検査時間は約10分
」としてCTコロノグラフィ体験取材が2009年5月26日に掲載された。弊社でも中川を取材員として投入したところであるが、続いてがん検診を受けたことがない若手の伊藤(32)をCTコロノグラフィ体験取材員として国立がんセンター(現国立がん研究センター)に投入した。(なお取材は昨年度のものです。現状のCTCプログラムとは異なっている場合があることをご了承ください)
2009年7月某日
CTコロノグラフィを受診することが決まった。CTコロノグラフィに関する仕事をする上で、早いタイミングで受診できればと思っていたが、その機会がとうとうやって来た。緊張する。
検査食をいただくために国立がんセンターを訪問。検査食は大腸内視鏡検査にも使われる検査食で2種類あり「好きな方を選んでいいですよ」と言われたため、「昼食:鮭がゆ・肉じゃが、夕食:チキンクリーム煮・クラッカー」のセットの方を選択。選択理由は、肉じゃがの腹持ちが良さそうだったから。検査食は、大腸に残らず非常に消化が良い成分で作成されているが、見た目はとても美味しそうだった。
それに加え、(当時開発中であった)20mlのバリウム3本と、明日からの前処置のスケジュールが記載された紙をいただいた。バリウムを飲む際に、水も一緒に500ml程度飲むようにとの指導を受けるものの、普段から健康のため毎日2リットルのミネラルウォーターを飲んでいる私としては、500mlくらいはどうってことはない。
2009年7月6日(検査前日)
8:00am: 朝食
今日の昼飯から検査食がスタートするため、この朝食は最後の晩餐、というわけではないが思いっきり食べておきたいなという欲望に駆られつつも、結局いつも通りのバナナとヨーグルトというメニューに。
9:55am: バリウム(1回目)+水500ml
スケジュール表をみると1回目のバリウムは10時頃。10時からミーティングが入っていたため、慌ててデスクでバリウム20mlを胃に流し込み、水はミーティングルームで頑張って飲むことに。ここでビックリしたのはバリウムがバニラ味で美味しかったことだ。少しトロッとしていたため、まるで溶けたバニラアイスのようだった。早くも次の2回目のバリウムが楽しみになってきた。
13:00pm: 検査食(鮭がゆ・肉じゃが)
危うく皆とランチに出掛けそうになってしまったが、思い出して検査食の箱を取り出し、デスクで検査食ランチを取ることに。ここで非常に残念なことに気づいたのだが、検査食はレトルトのような入れ物に入っており熱湯で温めて、封を切ってお皿に盛って食べる形式だった。ここはオフィス。電子レンジはあるが、さすがにお湯を沸かせず、お皿もない。結局、温かいランチを食べることを諦め、そのまま封を切って冷たいままの検査食をいただくという残念な昼食となった。
17:00pm: バリウム(2回目)+水500ml
楽しみにしていた(?)バリウムの時間がやってきた。ちょうど小腹がすきデザートでも食べたいと思っていた頃だ。早速、バニラ味のバリウムと水500mlを飲む。この時、朝コンビニで購入した2リットルの水のペットボトルもこの時間で既にもう残りわずか。今日もいつものことながら、かなり水を飲んだ。
そして、少し仕事を片付けた後、今日は検査前ということもあり、早めに帰宅。
20:20pm: 検査食(チキンクリーム煮・クラッカー)+バリウム(3回目)+水500ml
今日のランチの教訓を活かし、夜飯ではちゃんと検査食を温め、お皿に移し替えた。温めて食べるだけでも全然違う。それに加えて、実は結構おいしい。いつも大食いの私にとって、量が少ないことは少し辛いが、この味だったら何の問題もなく食べることができる。夕食後は、食後のデザートではないが、本日3回目のバリウムを楽しむことに。
2009年7月7日(検査当日)
5:45に起床。検査は8:30からということなので、8:00には国立がんセンターに到着できるようにいつもよりかなり早い起床。朝食はコップ1杯の水分が許されていたため、お茶を1杯だけ飲む。これで後は検査に挑むのみだが、昨日の夕食から水分しか採っていないため、さすがにお腹がすいてくる。試合前のボクサーもこれくらいストイックに食事制限するのだろうか。
7:55am: 国立がんセンター到着
検査まではまだ時間があるため、待合室で待つことに。CT検査を受けること自体が初めてであり、ちょっと緊張してくる。ちなみに、昨日と今朝と排泄はないため、検査に悪い影響がないかと少し心配にもなってくる。
実は今回、意外と多くの人が見学に来ていた。というのも、今回は検査食、バリウム、炭酸ガス自動注入器の評価も兼ねての検査であり、メディックサイトからも数名、製造元のスタッフも数名来ており、被験者は私以外に他社の方もいらっしゃった。
更衣室で、渡された検査着と専用のパンツに着替え、更衣室にカギをして、いざ検査室へ。
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まず炭酸ガス自動注入器で腸管拡張
腸管の蠕動抑制のためブスコパンを筋注射し、CTのベッドに横になると、ちょっと緊張感が。早速、大腸管を拡張するため、炭酸ガス自動注入器の送気用のチューブを肛門に入れ、バルーンを膨らませて固定。そしてすぐに炭酸ガスの注入が開始。「お!これはおならを我慢しているときの感触に似ているな」と心の中で思ったが、しばらくすると確かにお腹が少しずつ張ってきだしたのを実感。初めての感覚なので不思議な感じだ。特に痛いこともない。設定した拡張圧が得られたあたりで、うつ伏せに体位変換。
検査開始
検査室には私一人だけになり静かになった部屋に、放射線技師の鈴木さんの癒し系の声が。間もなくスキャンが始まるらしい。そして、うつ伏せの状態でCTスキャナーが動き始めた。
すると操作室から鈴木さんが検査室にいらっしゃって、次は仰向けに体位変換のご指示。「え?もう?」と思いながらモゾモゾと仰向けに。確かにCTコロノグラフィは1検査辺りの所要時間が10分強というのは、日頃からお世話になっているがんセンターの飯沼先生からもうかがっていることだが、実際に自分が被験者になってみると、本当にその速さに驚いた。これでよく3Dであんな精細な画像を作れるものだ、とつくづく感心してしまう。
仰向けでも同様にスキャンをしたが、仰向けの時は、うつ伏せの時よりもお腹が張っているように感じた。そして検査は終了。
チューブを抜いていただいたら、一気に腸管の張りがなくなった。空気で拡張をすると、検査後もずっと膨満感が続くらしいが、空気よりも約130倍吸収されやすいという炭酸ガスの場合は、その膨満感はすぐになくなるため、被験者にとっても非常に負担が少ないと思った。
更衣室で着替えを済ませ、操作室に。
検査結果
その場で飯沼先生から直々に読影をしていただき、結果を教えていただいた。結論から言うと特に問題はないとのことだった。心から安心した。安心感と脱力感が一気にやってきて、今日はこのまま会社に行かず帰宅しても神様は許してくれるのではないかと思った。
今回、私は下剤を全く用いずに検査を受けているのだが、画像を見ると一部残便が付いている部分もあり、前処置法や検査食の改良についても飯沼先生が言及。検査食やバリウムについては、CTコロノグラフィにとっての最善の手法を見出すための過程であり、被験者にとっても、読影者にとっても、最も良い方法が今後の日本のスタンダードになっていくのだろうと思うと気が引き締まる思いがする。
今回の検査は、32歳で大腸ポリープなんて見付かったら嫌だなという思いと、検査を受けることで問題がないということを確認できるというのは良い機会だな、と色々不安になりながら受けた検査だった。実際に受診してみて、CTコロノグラフィというこんな簡便にできる検査でがん検診が可能ならば、定期的に受けても良いと思った。実際、アメリカのACS(American Cancer Society)がCTコロノグラフィを大腸がん検診の検査方法の一つとして認め、5年に1度のCTコロノグラフィ検査を推奨したくらいだ。そして、仮にCTコロノグラフィの画像上で怪しい部分が見付かっても、この後、内視鏡で精密検査、及びポリープ切除という流れであれば、心の準備も十分できているし、そういうプロセスなら自分でも大丈夫かな、などと思ったりもした。
検査終了後は、築地のカレー屋さんで久しぶりの食事をたらふく食べてオフィスに戻った。
<取材:伊藤竹織>