<2008年9月> 学会参加紀行第一弾として9月11-13日にドイツ・ベルリンで開催されたESGAR CT-Colonography Workshopの様子をお伝えします。
ESGAR(European Society of Gastrointestinal and Abdominal Radiology)は遡ること2003年より大腸がん検査において重要な役割りを担うことが確実なCTコロノグラフィ検査に関する専門知識、技術情報を提供することを目的としてCTコロノグラフィ ワークショップを開催しています。
今回のワークショップで既に9回目の開催となり、第8回ワークショップまでで既に850名を超える先生方がこのワークショップを受講されており、今回参加の約100名の先生方を加えると、総受講者数が1000人に迫るという規模のワークショップです。
ワークショップは2グループ制で2日間のコースになっています。最初のグループが初日から講義を受け、翌日ワークステーションを用いたハンズオントレーニングを受けます。次のグループは最初のグループがハンズオントレーニングを受ける二日目に講義初日を迎えるという形でグループ間に一日の時差を持たせ計3日間でのワークショップを終えるという流れになっています。
講師陣はヨーロッパにおけるCTコロノグラフィの先駆者、権威と目される先生方ばかりで、CTコロノグラフィ関連の論文などでよくお名前を拝見する先生ばかり総勢18名という大講師陣でした。裏話ですが、このワークショップにおいて講師を務められていらっしゃる先生方は皆さんボランティアでのご参加ということで、交通費、宿泊費など一切の出費は全て自前なのだそうです。CTコロノグラフィ普及に対する先生方の献身的な努力には本当に頭のさがる思いです。
さて、ワークショップは今回で9回目ということもあり講義・ハンズオンのプログラム、運営は非常に完成度が高いという印象です。今回のワークショップで特筆すべきは初の日本人講師として国立がんセンターの飯沼元先生が招聘され、講義をされたことです。
飯沼先生は日本におけるCTコロノグラフィの経験というテーマで、国立がんセンターにおけるCTコロノグラフィシステムのご紹介、国立がんセンターならではの内視鏡・病理検査の結果をリファレンスとした平坦・陥凹型病変を含む症例の提示、CADのパフォーマンスの検証結果などについてお話をされました。飯沼先生の講義にはワークショップの受講者以上に他の講師の先生方が興味を持っていらっしゃったとの印象を受けました。それ程やはり日本の大腸診断学、特に最近欧米でも話題となっている平坦・陥凹型病変に対する知見の高さが注目を集めている証拠だと思います。
ワークステーションのハンズオントレーニングは講義とは別な会場でワークステーション メーカー7社から提供された計55台のワークステーションを用いて開催されていました。ワークショップ参加者が約100名で、2グループ制ですので、希望のワークステーションが必ずしも選択できるかどうかは別にして一人一台(一台に対して二名分の座席有り)のワークステーションが確保できていました。
講義、ハンズオンセッション共に多くの質問が寄せられ、受講者の熱の入りようを如実に表していました。こちらも裏話ですが、金曜日を最終日とするスケジュールのグループへの受講希望者の方が常に土曜日を最終日とするグループへの受講希望者を上回っているとのことです。熱意と週末の大事な時間を費やすこととは別な話? というのはいかにもヨーロッパの方々の価値観を見事に反映したものだなと勝手な解釈を造りあげてしまいました。
最後に、日本においても昨年の日本医学放射線学会総会で日本初のCTコロノグラフィトレーニングが実施され、本年も同様の企画が実施され、非常に好評のため、来年も実施される予定と聞いています。
このようなトレーニングを通じて、日本においても広くCTコロノグラフィ検査についての知識、情報が発信されることにより、現在CTコロノグラフィに興味をお持ちの先生方がCTコロノグラフィを始められるという機運が盛り上がっていけば、と願いながら… 学会参加紀行第一弾【ESGAR CT-Colonography Workshop】とさせていただきます。