<2008年11月>学会参加紀行第二弾は、10月24~28日に韓国のソウルで開催された12th Asian Oceanian Congress of Radiology (AOCR 2008、第12回アジアオセアニア放射線学会)について報告いたします。
今回で12回目を迎えるAOCRは、第1回が1971年に開催されており、当初は4年に1度の開催でした。その後3年に1度の開催に変更され、2004年以降は2年に1度の頻度となり現在に至っています。最近のアジアでの目覚しい発展を反映して開催間隔の短縮だけでなく、学会や展示自体の規模も毎回大きくなっている模様です。
AOCR会場(クリックで拡大)
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AOCR会場(クリックで拡大)
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さて、今回私は主にAOCRで行われたCTC(CTコロノグラフィ)関連のセッションに参加してきました。AOCRでは様々なセッションがありCTCに関するセッション、大腸がんに関するセッションの他に、最近の腹部画像技術のセッションでもCTCが取り上げられていました。そして特筆すべきはCTCハンズオンワークショップが開催されたことです。
欧米の学会ではよく開催されているCTCワークショップですが、アジアではまだCTC自体が普及していないのが現状です。しかしそういったことからすれば今回のワークショップ開催は非常に意味のあるものだと考えられます。まずはこのハンズオンワークショップがどんなものであったかを報告したいと思います。
このCTCハンズオンワークショップは、受講者の定員は50名で事前登録制になっています。もちろん事前登録されていない方も見学が出来るようになっていました。会場は開始即満席になり立ち見が出るほど盛況でした。
内容は30分の講義があり、その後はワークステーションを使って与えられた課題(CTCのケース)を読影していくというものでした。ワークステーションは25台用意され50名の受講者が2人で1台を使用するといった形で行われました。ワークステーションは様々なメーカーから持ち込まれており、提供メーカーはINFINITT、Siemens、Philips、GE、TeraReconの5社です。中でもINFINITTは開催国の韓国メーカーだけあって12台ものワークステーションを提供していました。やはり地元開催ですので非常に力を入れているのを感じることができました。
ハンズオンはそれぞれ難易度が違う数ケースを受講者が順番に読影していくといったものでした。また、ワークステーションごとにそれぞれにメーカーのスタッフがついて受講者の読影をサポートしていました。私は日本でもハンズオンワークショップの経験がありますが、その時は1社のワークステーションのみだったため、このような形態は初めてでした。この形態だとなるべく受講者が普段使っているワークステーションでのトレーニングが可能なので受講者はより実践的なトレーニングを受けることができます。日本でもこのように各メーカーがワークステーションの提供を行い、受講者のニーズになるべく応えるようなハンズオンワークショップが開催できれば・・・と感じました。
ワークショップ風景(クリックで拡大)
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ハンズオントレーニング(クリックで拡大)
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このワークショップが開催された夜、先述のINFINITT主催のパーティーがあり、私も出席してきました。このパーティーはThe Blue Planetと銘打たれておりINFINITTのカラーの青とうまくかけ合わせたものとなっていました。会場は地下にあるおしゃれなバースペースで、そこで様々な趣向を凝らした催しが行われました。日本からも数名の先生方が参加されていましたが、普段の忙しさを忘れてしばしの間、楽しんで頂いたのではないでしょうか。
それではその他のCTC関連のセッションについて簡単にご紹介します。
・Current status of CT colonography
リフレッシャーコースの1部として発表され、前半部ではCTCの手技を中心とした技術的内容、後半ではCAD(Computer-Aided Detection:コンピューター支援検出)についても触れ、FDAにおいても最終的に承認待ちであることを報告していました。また、アメリカのCTCに関する大規模臨床試験であるThe National CT Colonography Trial (ACRIN6664:American College of Radiology Imaging Network)や各種研究の成果などからCTCスクリーニングが将来的に広く普及するといった内容で締めくくられていました。
・CT colonography & Small Bowel
サイエンティフィックセッションで8つの発表があり、CTCに関するものはその内5つでした。その中にはCADを使用した発表も2つ含まれていました。
・Colorectal cancer: Comprehensive imaging
大腸がん全般に関するスペシャルフォーカスセッションでした。CTCのセッションではありませんでしたが、この学会を通してのCTCの総復習のような内容で、CTCに関する技術的な内容を網羅し、詳しく解説を行っていました。
これらのどのセッションも参加者が多く、活発に質疑応答がなされていました。参加者のCTCに対する意識は高いようです。
最後に機器展示についても見てきましたので紹介します。ブースに関してはモダリティメーカー、ワークステーションメーカー、画像ネットワーク関連メーカーが大きなブースを出展していました。中にはCTCに関連するアプリケーションを前面に出しているブースもあり、日本の学会展示とはまた違った趣がありました。
その中でも特に目立っていたのがやはりINFINITTのブースでした。先述のハンズオンワークショップで使用したのと同じワークステーションのCTCソフトをブース前面の中央で展示していました。そのワークステーションには、日本国内においてはまだ未承認ではありますが、弊社Medicsightが開発しているCTC用大腸がん検出ソフトである「ColonCAD」の最新バージョンが既にインテグレーションされており、CADによって強調表示されたポリープ等の画像を見ることが出来るようになっていました。非常によく出来たワークステーションで今後の展開が楽しみです。
INFINITT社ブース(クリックで拡大)
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弊社ColonCAD搭載のワークステーション(クリックで拡大)
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今回AOCRに参加して感じたのは、日本よりも韓国などの隣国で、既にCTCに対して高い関心が寄せられ、今後実施していくところが増えていくだろうということでした。しかし、日本においても近年、CTCに対する認識が変わりつつあります。我々も今後の活動を通して日本のCTCをますます盛り上げていきたいと思わずにはいられませんでした。
以上で私の今回の報告は終わりですが、このAOCRは2年後に今度は台湾にて行われる予定です。日本からも参加しやすい国際学会だと思いますので、次回はもっと多くの日本の先生方からのCTCの演題を期待したいと思います。
<北野 浩一>