RSNA2009 ~学会参加紀行~
国立がんセンター 三宅基隆先生 CTCレポート
<2009年12月> 米国シカゴにて、放射線学会で世界最大規模のRSNA2009(Radiological Society of North America、北米放射線学会)が11月29日~12月4日の6日間、開催されました。今回の学会参加紀行は、RSNA2009にご参加されました国立がんセンター中央病院放射線診断部の三宅基隆先生にご寄稿いただきました。
三宅先生は、毎年開催されている「JRC CTコロノグラフィ トレーニングコース
」では講師をご担当され、JRC2009 CyPos賞では、「CT Colonographyにおけるコンピューター支援検出の有用性:sm浸潤癌での検討
」という研究でGold Medalを授賞、また今回のRSNA2009ではCTCの発表をされるなど、CTCの普及に非常にご活躍されていらっしゃいます。
三宅基隆先生 ご略歴

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三宅 基隆先生 国立がんセンター中央病院放射線診断部
平成14年3月 神戸大学医学部卒業
平成17年4月~国立がんセンター中央病院放射線診断部
大腸外科グループ、消化器内視鏡グループと共に、日常診療におけるCT colonography(CTC)の
開発・臨床応用に取り組む一方、検診への導入を目指した研究を行っている。
特に早期大腸癌のCADの開発、研究に精力的に取り組んでいる。
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国立がんセンター 三宅基隆先生 CTCレポート
はじめに
第95回北米放射線学会(RSNA2009)が11月29日(日)から12月4日(金)までの6日間,今年もシカゴのマコーミックプレイスで開催されました.大雪となることもなく,天候に恵まれた会となりました.
RSNAでは毎年CT colonography(CTC)に関する多くのsessionが開かれており,CTCへの感心の高さの表れと思われます.RSNA2009でも多くのCTCに関する発表が行われ,いずれも多くの参加者による活発な討論が行われていました.Education ExhibitのCTCに関する演題数はここ5年で最も多く,3演題がCertificate of Meritを受賞していました.
このレポートでは,特にCTCに対するCADの報告に的を絞って,RSNA2009を振り返ってみようと思います.
Scientific Session
CADのsessionでは私の発表が最初にありましたが,初めての海外での口演発表であったため極度に緊張しており,同席下さった指導医に大笑いされてしまいました.質疑応答も何とか終え演壇を降りた後は,安堵感の中,発表をじっくり聞くことができました.小生の発表は,粘膜内癌および粘膜下層浸潤癌167病変を用いてCADの検出能を調べたもので,「平坦・陥凹型病変を含めて80%近くの病変が検出されるが,今後は特に粘膜下層浸潤癌における平坦・陥凹型病変の検出能を改善するためのアルゴリズム開発が必要」と報告させていただきました.

緊張の面持ちで発表中.参加者の真剣で鋭い眼差しが
ちらちらと視界に入り,ますます緊張することに.
他に,CADの併用でCTCによるポリープ検出能が向上し,読影時間の短縮効果が得られるとする報告や,CADが検出していながら読影者によって見逃された病変を検討した報告が興味深く思われました.特に後者では,CADにより小さいポリープは検出能が向上したものの,比較的大きくirregularな病変において,かえって読影者が病変と認識しない率が高く注意が必要と報告され,診断するのはCADではなく人間であり,CTC読影に際しては,多彩な肉眼型を持つ大腸病変に対する習熟が必要であると再認識しました.
Refresher course
CTCのCADに焦点を絞った講演では,CADは隆起性病変に対して良好な検出能を有しており,CADを併用したCTCは病変検出能が向上し,読影時間が短縮するという利点が強調されていました.近年,CTCのCADは1症例あたりの偽陽性数を1ケタ程度に抑えつつ病変検出能を向上させており,読影者の負担を過度に増加させることのない読影が可能となってきています. CTCで使用される大量の画像を,病変を見落とすことなく読影するためにはCADを併用した読影が必須です.今後は,偽陽性数の増加を抑えながらも良好な平坦・陥凹型病変を検出するアルゴリズムの構築,fecal tagging およびelectronic cleansing に対応したアルゴリズムの開発が必要と思われます.

12月1日(火)朝8時半から行われたCTCのrefresher course会場.
席はほぼ満席で,壁際にもほぼ隙間なく聴衆が並んでいました.
Educational Exhibit
ポスター発表においてCTCにおけるCADの有用性を示す非常に印象深い発表がありました.国際的に著名な複数のCTC熟練者が診断困難であったポリープをCADが検出可能であったという報告で,ポスターの横に読影用PCが設置されており,CTC熟練者が見逃したポリープの診断にクイズ形式で挑戦できるという,なんとchallengingな発表であろうと舌を巻きました.
本屋にて
Springerから「Virtual colonoscopy 2nd edition」が発売されていました.第12章は早期大腸癌のCTCによる診断について日本の症例が載っており,CADによる平坦・陥凹型病変を含めた早期大腸癌検出能についても述べられています.日本発の情報が掲載された記念すべき教科書と思います.
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思わず手にとってぱちり.
おわりに
「CTCはすでに実臨床でスクリーニングに用いる段階に入った」とRSNA2008で宣言されていた通り,RSNA2009では今までよりも実臨床に即した演題が多かったように感じました.とはいえ,前処置,CAD,被曝,読影performanceなど検討すべき課題はまだまだあり,今後,本邦からも優れた消化管診断学に基づく多くの発表が生まれることを願っています.
国立がんセンター中央病院放射線診断部
三宅基隆
Medicsightブース
今回のMedicsightのブースでは、「ColonCAD™4.0」を搭載したインフィニット社のワークステーション「Xelis Colon」と、同じく「ColonCAD™4.0」を搭載した「MedicRead」を展示しました。
「ColonCAD™4.0」は、ほぼ1ヶ月前に米国レストンにて開催された「10th International Symposium on Virtual Colonoscopy
」にて、「ColonCAD™4.0を用いた大規模な無症候性スクリーニング集団における優れた検出性能結果
」が発表されたばかりで、ブースにこられた先生方もその優れた検出能を、直接ワークステーションを操作することにより実感できたのではないかと思います。
また、「ColonCAD™4.0」は、Medicsightのワークステーションだけで機能するのではなく、グローバルパートナーシップ契約を結んでいるパートナー企業のワークステーション上でもCAD機能を使用することが可能です。RSNA2009の展示ブースでは、Medicsightブースのみならず、テラリコン社、ザイオソフト社、インフィニット社、Vital Images社、及びViatronix社の展示ブースにおいても、「ColonCAD™4.0」を搭載した各社のワークステーションを展示していただきました。
RSNAではこのようにパートナー企業の展示ブースに「ColonCAD™4.0」を搭載したワークステーションをRSNAでは毎年展示していただいているのですが、今年は新たに、日本においても最も優れた3Dワークステーションメーカーの1つであるザイオソフト社とグローバルパートナーシップ契約
に基き、「ColonCAD™4.0」を搭載した「ザイオステーション」を展示していただくことができました。
- *MedicRead/ColonCADは日本国内においては薬事未承認品のため販売授与はできません。


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